ふくろうの本棚

ふくろうには似ても似つかない限界独身男性が色んなことを書きます

8クイーン問題をイジングマシンで解いてみた

 『月刊インターフェース』という技術系の雑誌がCQ出版社から出版されている。この雑誌は、プログラミングやマイコン工作のような実用的なトピックを、初心者にもとっつきやすい形で紹介している。この雑誌の先月号の特集が量子コンピューターであった。「量子コンピューターの原理はこれだ!」とか、「量子コンピューターが実現したらビジネスでこんないいことがある!」とか、一般人からしたら雲をつかむような話だけでは終わらず、最近の流行である、クラウド経由で実際に量子コンピューターのプログラミングを行う例を紹介している。量子コンピューターをこんな風に触れる未来が訪れるなんて、僕が初めて量子コンピューターを知った15年前には想像できなかった。感無量である。

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外資系男とお笑い芸人

 気がついたら、よその会社様から御用聞きの訪問を受けるような立場になってしまった。自分の中ではようやく大学生並みの精神年齢になれたと思っているぐらいなので、「僕なんか訪問しても大丈夫?時間の無駄じゃない?もしかして僕騙されてない?」なんて疑心暗鬼に駆られてしまう。

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謎の海洋王国ディルムン

 バーレーン王国をご存じだろうか。僕はニュースか何かで聞いたことがあるぐらいで、中東のどこかにあるんだろうなと漠然と思っていた。Wikipediaで調べると、ペルシア湾バーレーン島および大小33の島からなる立憲君主制国家であるとのことだ。1800年台までは真珠の養殖で有名であったが、その地位はジュエリーミキモトの創業者である御木本幸吉が世界で初めて真珠の養殖に成功したことで大きな打撃を受ける。一方で、1932年に石油の産出に成功し、世界でも有数の富裕国へと成長する。

 このバーレーン島には、今から数千年ほど前にディルムン王国という国が存在していた。

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世界は「関係」でできている

 産経新聞は2021年11月22日付で、岸田内閣が量子暗号技術の研究開発を加速するために、令和3年度補正予算案に約145億円を計上する方針であると報じた。量子暗号とは、いわゆる「量子」の特性を活用することにより、どのような計算機でも解読不可能な暗号通信を実現する技術である。この145億円の予算を、量子暗号の実証実験環境の整備や多数の人工衛星による量子暗号通信の実現のための研究開発に活用していくとのことだ。

news.yahoo.co.jp

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妖怪ハンター地の巻

小学生時代にCGI掲示板に入り浸り、中学校時代に2chFlashサイトに入り浸り、高校時代にはニコニコ動画に入り浸り、そして大学時代にはtwitterまとめサイトに入り浸っていたオタクの周りを、ネットミームはいつも優しく取り囲んでいた。元ネタの多くは漫画やアニメだ。僕らはジョジョの奇妙な冒険を漫画を読んで知ったのではない。2chだかに貼られた「だが断る!」のコマ画像から知った。僕らはドラゴンボールを読んだことも無いくせに、フリーザの戦闘力を知っている。

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無職本

はじめに:ブロガーもとい三日坊主

 前回の更新から1か月も過ぎてしまった。こう書くといかにもブロガーといった感じがしないだろうか。まだ記事は3本しかないけど。この1か月、本を一冊も読んでいないわけではなく、引きこもりの本とか、土葬の本とか、バイオロギングに関する本とか、いくらかは読了している。しかし、仕事が思った以上に忙しくて、文章を書くためのまとまった時間の確保ができなかった。さらに、下書きを中途半端に書いては消して、書いては消してということを繰り返している。文章を書くのがこんなに苦しいとは思わなかった。この文章もとてもブロガーっぽくていいなと自分で書きながらほくそ笑んでいる。

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統計分布を知れば世界が分かる

はじめに:人生に、新書を。

 Twitterで新書が話題になっている。元ツイートは把握できなかったが、「新書を読め!」と問題提起を行った人がいたらしく、その是非について議論が巻き起こっている。「人生に、文学を。」のキャッチコピーで日本文学振興会が炎上したのはもう5年も前のことだったろうか。あれとは発言の主体も違うから比較はできないけれども、こういう強気の問題提起は一部の人の心情を必要以上に逆なでしてしまうようだ。この問題にかこつけて自分の武勇伝を披露したり、「新書よりも学術文庫を読め!」というさらなるマウンティングを被せたりと、いかにもTwitterらしい「議論」が展開されており、苦笑いしながら話題を追っている。

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